明治座の歴史は、明治6年(1873)にさかのぼります。
その前身は、両国広小路(西両国)に在った富田角蔵・福之助・金太郎の、俗に言われる「三人兄弟の芝居」でした。この時代は座名などなく、よしず張りの芝居小屋で雨天には興行ができないので、俗に青天小屋とも呼ばれていました。
明治5年(1872)9月、東京府々令によって、それまでの三座(中村座・市村座・守田座=旧森田座)以外での興行が許可されるようになり、「三人兄弟の芝居」の金主(今で言う出資者)であった鈴木吉兵衛が劇場出願し、これが認められます。
翌年の明治6年(1873)4月28日、現在の久松警察署の南側に劇場が立てられ、喜昇座として開場しました。これが、明治座のはじまりです。