原作: 司馬遼太郎「一夜官女」(中公文庫刊)より
脚本: 齋藤雅文 演出:西川信廣
出演: 中村梅雀 菊川 怜 音無美紀子 石倉三郎
青山良彦 江藤 潤 なべおさみ 新谷真弓 他
※以降の記述には、物語の詳細な内容が含まれます。
予めご了承の上、ご覧下さい。
~第一幕~
時は戦国時代。織田信長の家臣・伊藤七蔵政国(中村梅雀)は戦で大手柄を立てる。意気揚々と家に戻った七蔵が目にしたのは、遊び浮かれる女たちの姿だった!妻・小梅(菊川 怜)や母・桃(音無美紀子)の派手な着物姿に呆れ怒る七蔵を尻目に、小梅は七蔵の稼ぎがわかるやいなや、呉服商との商談に入る始末・・・。
さかのぼること2年前―。信長の三好攻めで、逃れ出たのは三好方の夕姫。そこには侍女である小梅の姿もあった。姫を守るために影武者を命じられた小梅は、すぐに野武士に見つかり襲われてしまう。その窮地を助けた男こそ、七蔵だった!「私をここから連れて逃げて!」と懇願された七蔵は、小梅を引き連れ岐阜に戻ることに。敵方の姫様を連れ帰ってしまったと思いこんでいる七蔵と桃は、打ち首を怖れて必死に隠そうとするが、美しい女子の存在は瞬く間に知られてしまう。あっという間に噂は広まって、小梅は七蔵の「許嫁」だともてはやされてしまうが・・・
~第二幕~
半年後、すっかり伊藤家の「嫁」となった
小梅の“着道楽”が始まっていた。伊藤家は火の車なのだと説得する桃に、あどけなく「それで?」と返す小梅。しかし、夜の寝所では「仮の夫婦だ」と頑なに七蔵を拒み、指一本触れさせない。そんな状況に、小梅を愛しながらも七蔵はもがき苦しんでいた。一方、安土城では信長(青山良彦)と家臣が小梅の話で持ちきりであった。七蔵は、自分の兜を買う金を小梅の道楽のために惜しむため、皆が「編笠七蔵」などとさげすむ中、一人信長は小梅を「名軍師かもしれぬ」とつぶやく。
そんなある日、木下藤吉郎(石倉三郎)と石黒助右衛門(江藤 潤)は、おてん(新谷真弓)という一人の女性を連れてくる。聞けば、七蔵の側室になるとのこと。困惑する七蔵をよそに桃と小梅はおてんを歓迎するのだが・・・
~第三幕~
出世した七蔵の家は見違えるほど立派なものになり、小梅は都の風流踊りの面々が庭で踊るのを嬉しそうに見ていた。そこへ七蔵が戦から戻ってくるが、桃や伊藤家の家来までもが踊りを楽しむ姿にへたりこむ。その側には小梅の散財により、建てられぬままの長屋の木材が積まれており、七蔵は私腹を肥やしているのではないかと、ご家来衆より疑われてしまう。七蔵への疑いを晴らすために、小梅が弁明を始めたことが原因で、七蔵は小梅の正体を知ることに! 騙されたと悲しみにくれながら、七蔵は信長の待つ安土城へ登城する。そこで信長は「小梅をくれ」と七蔵をからかうのだが・・・。
そして本能寺の変が勃発。信長が討たれ混乱する最中、小梅は明智方の侍に襲われまたもやピンチに。七蔵と小梅、二人の行く末やいかに!
笑いと涙の戦国めおと話を、ぜひ劇場でご覧ください!
※本公演の内容は、一部史実に沿っていない部分がございます。
予めご了承ください。