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2010年8月公演 つばき、時跳び

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スタッフ・キャスト

原作:梶尾真治「つばき、時跳び」(平凡社刊)
脚本・演出:成井 豊(演劇集団キャラメルボックス)

出演: 福田沙紀 永井 大
          勝野 洋 金子貴俊 真野恵里菜 ・ 紫吹 淳

          渡邉紘平 永池南津子 溝呂木 賢 敦士 山田幸伸
          (演劇集団キャラメルボックス)
          坂口理恵 岡田さつき 多田直人 小多田直樹

作品紹介

時を超えて、恋に落ちる二人。

異なる時代に生き、愛し合う。究極的に困難な恋愛を幻想的に描く、ラブロマンス。
出身地の熊本を拠点に執筆し、「黄泉がえり」「この胸いっぱいの愛を」などのヒット作を生んだSF作家、梶尾真治が熊本の閑静な古屋敷を舞台にして描いたファンタジーノベル「つばき、時跳び」。幅広い世代から支持を得ている原作を、演劇集団キャラメルボックスの成井豊が脚本化し、演出するのが、本作品です。
恋愛物語には、愛し合う者の間にさまざまな障壁があるのが常ですが、本作で障壁となるのは”時代”。
異なる時代に生きながら惹かれ合う惇とつばき。時代を行き来するという、人の意志ではどうにもならないことを、梶尾真治ならではのアイデアで、ピュアな恋愛物語になりました。屋敷に意外な仕掛けがあり、突然のタイムトリップの連続に戸惑いながら、徐々に愛を深め合うというストーリーは、まさに梶尾ワールドです。
恋する二人の家族や友人に加え、横井小楠、坂本龍馬など幕末に実在した重要人物も登場。天下を揺るがす攘夷派、開国論者の覇権争いが絡み、壮大な物語に仕上がっています。
主演は若手の有望株で今作が明治座初出演となる福田沙紀、相手役には多方面で活躍中の永井大。成長著しい金子貴俊、真野恵里菜、ベテランの勝野洋、そして数々の舞台で活躍を続ける紫吹淳が脇を固めます。さらに、ファンタジーものや時代劇を多数手がける演劇集団キャラメルボックスの実力派が客演し、物語の幻想的な世界観をいっそうに際立たせます。
成井豊ならではの演出で、舞台装置はサプライズがいっぱい。奇想天外な見せ場が続けざまに展開し、思わず息をのむこと請け合いです。心地よさと切なさを合わせ持つタイムトリップ・スペクタクル。明治座では異色のSFの世界を、心ゆくまでお楽しみください。

梶尾真治(かじお しんじ)

1947年生まれ熊本県出身。1971年「美亜へ贈る真珠」でデビュー。タイムトラベルものを描いた作品を多数執筆、幅広い世代から絶大な人気を誇る。
短編SF作家として活動してきたが、最近は「OKAGE」や「未来のおもいで」など。長篇作品でも数々のヒットを生んでいる。代表作は「クロノス・ジョウンターの伝説」「黄泉がえり」「この胸いっぱいの愛を」など。1991年「サラマンダー殲滅」で日本SF大賞を受賞した。今作「つばき、時跳び」の舞台となる百椿庵は作者自身が実際に住んでいる家がモデルとなっている。



百椿庵/熊本

~あらすじ~

その屋敷は、幕末への扉だった。
   時空を超えた恋、そして歴史の激動。
      タイムトリップ・スペクタクルが始まる。

創作活動に専念するため、母の出身地の熊本へ東京から移住したSF小説家、井納惇(永井大)。 引っ越し先は、かつて祖父母が住み、今は空き家の古屋敷。庭に多くの椿が植えられ、百椿庵と呼ばれれている。 築150年を過ぎるこの屋敷には、幽霊が出るという噂があった。引っ越して来たその夜、惇の前に着物姿の娘が現れる。惇の友人で郷土史に詳しい黒瀬幸太(金子貴俊)によると、彼女は、江戸末期に百椿庵に住んでいた 武家の娘らしい。惇と幸太が屋敷を調べると屋根裏には、不思議な仕掛けが。これが、現代と幕末をつなぐ秘密だった。つばき(福田沙紀)という名の娘は、145年の時を超えて現代にやって来たのだった。

「元の時代に戻りたくない」というつばきを現代の生活に馴染ませる為、惇は従妹の仰烏帽子綾(真野恵里菜)と共に熊本の街へと出る。ビル、自動車、飛行機、そして道行く人々の姿、見る物すべてに驚き、喜ぶつばき。しかしその途中つばきの具合が悪くなり、突然姿が消えてしまった。もう一度つばきに会う為、145年前に飛ぶ決心をする惇。無事につばきと再会した惇はつばきの母・芙美(紫吹淳)に温かく迎えられる。しかし長男の妻・千鶴(永池南津子)はその様子を快く思っていなかった。翌日、つばきと惇はつばきの父の旧友である思想家・横井小楠(勝野洋)の家で、坂本龍馬(渡邉紘平)と出会う。そこで熊本藩士の中に攘夷思想を持つ勤王党と呼ばれる人々がいて、開国論を主張する横井や坂本が狙われていることを知る。つばきと惇、二人の間には恋心が芽生えるも、幕末の激動の渦に巻き込まれていく─。タイムトリップの先にある二人の恋の行方は!?

梶尾真治の描く究極のタイムトラベル・ラブロマンスを、演劇集団キャラメルボックスの成井豊が脚本・演出し、待望の舞台化。