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2008年8月公演 瀬戸内寂聴 現代語訳による 白石加代子の「源氏物語」宇治十帖

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作品紹介

台本構成・演出: 鴨下信一

思い焦がれて、千年。
ふたたび、その恋の炎が燃え上がる。


各地で大好評の「白石加代子の源氏物語」。
源氏物語生誕1000年でもある記念すべき本年は、新作「宇治十帖」がお披露目です。
光源氏の孫たちの、宇治を舞台にした美しくそして儚い愛の物語が、白石加代子という語り部と出会い、極上のエンターテインメントとして皆様にお届け致します。
どうぞご堪能下さい。

今年千年の歴史を紡いだ源氏物語に、白石加代子が新たな伝説を刻む。


鴨下さん、白石さんのぴったり息のあったコンビによる「源氏物語」にすっかり酔わされてしまった。
鴨下さんが原文とわたしの訳を駆使し、それを加代子さんが見事に噛み砕き、美味しい蜜にかもして観客に食べさせてくれる。
できるなら、このコンビで「源氏物語」の全編を聴かせ、観せてもらいたい。

―瀬戸内寂聴(現代語訳)

光源氏の次の世代が登場する「宇治十帖」は、どうもいま、不幸な浮舟ひとりが強調され過ぎていないだろうか。
大君と中の君の姉二人も同じように〈運命の女〉で、これは美しい三姉妹と、薫大将・匂の宮、五人のはらはらする〈危険な関係〉と複雑な心理の物語なのだ。
二人の貴公子も、よくいわれるように、その性格の違いだけが描かれているわけではない。
二人はもう充分に大人で地位も身分もあり、世間になれてけっこう裏も表もある。
そういうところは紫式部は辛らつな観察者だから、その筆はとても痛烈だ。
源氏と、女三の宮と柏木の不倫が主題の「若葉の巻」が〈古典でもある近代小説〉ならば、これは〈古典でもある現代小説〉だろう。
そのおもしろさを瀬戸内寂聴さんのいきいきした現代語訳に、深い美しさの原文を混ぜて、白石加代子さんの朗読で楽しんでいただきたい。

―鴨下信一(台本構成・演出)