おゆき
原案:石田多重 脚本:布勢博一 演出:吉村ゆう
出演:中村美律子 川野太郎 新藤栄作 曾我廼家寛太郎 二宮さよ子 他
明治39年春のある日、丹後半島の豪商・野村家では美しい長女・初子の見合いが行われていた。
見合い相手は勢いにのった大網元兼善の長男・中井吾郎。両家にとって互いの権力向上のため良い縁談であった。
宴席ではかいがいしく女中のおゆき(中村美律子)が働いていた。場も盛り上がり、いざ結納の日取りを決めようとしたそのとき、吾郎が「わしが嫁にしたいんは・・・女中のおゆきさんや。前から心惹かれてた」と言い出した。
おゆきはただ呆然、初子は恥をかかされたと激怒し、吾郎とおゆきへの復讐を心に誓うのであった。
数日後の夜、父に勘当された吾郎はおゆきの部屋に忍び込み、戸惑うおゆきを連れて逃げる。若狭湾へ小舟でこぎだし、満点の星空のもと二人は一つになった。
吾郎の自分への気持ちに半信半疑だったおゆきも次第に強い愛情を感じ、離れたくないと強く思うのだった。
しかし、追っ手はすぐそばまで追っていた。
第二部 中村美律子オン・ステージ
構成・演出:鷹の羽辰昭