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2005年1月公演 コシノものがたり 心はいつも乙女のように

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作品紹介

出演者:コシノジュンコ  萬田久子
     コシノヒロコ  池畑慎之介
     コシノミチコ  牧瀬里穂
     コシノアヤコ  赤木春恵
     武一・鈴木慎一  高知東生
     木元  不破万作
原作/小篠綾子『やんちゃくれ』
脚本・演出/元生茂樹

ファッションデザイナーの先駆けとして、妻や母である前に
仕事に生きる女であることを貫いた母"小篠綾子"
洋服作りに情熱をかけた、コシノ母娘の涙と笑いの半世紀

アヤコがファッションの道を志したとき、華やかな洋服を着るのは上流階級の女性だけ。
でも、誰しも一度は素敵な服を着たいと夢見ていた。もちろん小篠綾子も。
その思いはやがて彼女をファッションの世界へと導く。それは、少女が恋する男の人の
前では美しくありたいと願う切なさを彼女が分かっていたから。そして、その心を終生
忘れずにいたいと思っていたから。

女性が夢に人生を賭けられなかった時代。
その逆風を真っ向から受けながら、コシノアヤコは、女性が誰しも胸に抱く思いを貫いた。
その生き方は壮絶だった――心はいつも乙女のように・・の思いで・・生きた女性たちの物語。

物語の最後を飾るのは、母娘の名を冠した数々のブランドファッションで繰り広げられる、
史上初の劇場ファッションショー。ショーの最後にはデザイナーである4人が四季に彩られ
登場し、涙と笑いの華麗なる舞台を鮮やかに締めくくります。

《あらすじ》
昭和10年、大阪・岸和田商店街のはずれにあるコシノ洋装店。
若くして自分の店を持ったアヤコは、今日は自分の結婚式というのに新郎の武一をほったらかし、
明日、開場する紡績工場の制服を間に合わせるためお針子とともにミシンを踏んでいる。
周囲が気をもむなか「お婿さんは身内になる人、お客さんを待たすよりお婿さんに待って貰う
方がよろしいやろ」と言う始末。2人の結婚生活は初日からこんな調子で、式の翌日からは
武一も朝から仕事場に立っていた。やがて2人の子供が生まれヒロコ、ジュンコと名づけられた。
当時はまだ女性が注文を取り、洋服を作るのは珍しい時代。客の信用を得るために人並み以上に
働かなければならず、子育てもままならない状態。ヒロコは祖父母の所へ預けられ、ジュンコは
あやす暇さえもない日々が続いていた。
やがて戦火は日増しに大きくなり武一も戦地へ駆り出されてしまう。
この時すでにアヤコのお腹には3人目のミチコが宿っていたが、武一はミチコに会うことなく
帰らぬ人となってしまったのだ。追い討ちをかけるように父も亡くなりとうとう小篠家には男手が
なくなり、女だけで店を守り続けなくてはならなくなってしまう。

そして終戦。女だけで店を切り盛りするが、女とみくびられてか思うように布地も手に入らない。
そんなときアヤコの前にひとりの男性が現れる。彼こそ公私にわってよきパートナーとなる
仕立て職人の木元。武一にはなかった男らしさを感じ、アヤコは初めて激しい恋に落ちてしまう……。