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作品紹介

4月6日(日)~4月26日(土)

十返舎一九の娘・舞はお年頃。
父と押しかけ弟子の浪人や葛飾北斎の娘・お栄ら居候に翻弄され、きりきり舞い!
奇人変人に囲まれた舞が懸命に生きる姿を描く、とびきり愉快な人情喜劇

あらすじ

主人公の舞は『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘。
両親と江戸日本橋通油町の借家で暮らしながら、
趣味と実益をかねて踊りの稽古にはげんでいる。
18歳の小町娘の夢は玉の輿。
それなのにあァ、一九に縁談をぶちこわされてばかりだ。

一九は稀代の奇人で大酒飲み、飲めばきまって大騒ぎ。
借金だらけで家計も火の車。
母のえつはとうに匙を投げてしまい、きりきり舞いをするのはいつも舞。

そんな舞の家へ、次々に奇人がころがりこんできた!

一九の押しかけ弟子になったのは謎の浪人、今井尚武。
尚武は一九の出生のヒミツとかかわりがあるらしい。

もう一人は幼なじみで葛飾北斎の娘のお栄。これがまたトンデモナイ奇人で・・・。

そんな最中、舞は武家の若者に見初められた。さァ、玉の輿の夢は叶うのか?

奇人にかこまれ、舞の毎日は山あり谷あり、怒って泣いて笑っての大忙し。
それでもお江戸の庶民は元気はつらつ。
ユーモアとペーソスたっぷりの、とびきり愉快な人情喜劇。

【原作者紹介】

作者:諸田玲子(もろたれいこ)
静岡県出身。上智大学文学部英文科卒。台本のノベライズや翻訳を手がけた後、1996年『眩惑』で作家デビュー。
2003年『其の一日』で第24回吉川英治文学新人賞を受賞。
2007年『妊婦にあらず』で第26回新田次郎文学賞を受賞。
2012年『四十八人目の忠臣蔵』で第1回歴史・時代小説大賞作品賞を受賞。

主な作品『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『狸穴あいあい坂』などのシリーズ物のほか、
『王朝まやかし草紙』『美女いくさ』『炎天の雪』『ともえ』など歴史・時代小説を中心に著書多数。
現在、日本経済新聞にて『波止場浪漫』を連載中。

2009年9月刊行 2012年1月文庫化