あらすじ
主人公の舞は『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘。
両親と江戸日本橋通油町の借家で暮らしながら、
趣味と実益をかねて踊りの稽古にはげんでいる。
18歳の小町娘の夢は玉の輿。
それなのにあァ、一九に縁談をぶちこわされてばかりだ。
一九は稀代の奇人で大酒飲み、飲めばきまって大騒ぎ。
借金だらけで家計も火の車。
母のえつはとうに匙を投げてしまい、きりきり舞いをするのはいつも舞。
そんな舞の家へ、次々に奇人がころがりこんできた!
一九の押しかけ弟子になったのは謎の浪人、今井尚武。
尚武は一九の出生のヒミツとかかわりがあるらしい。
もう一人は幼なじみで葛飾北斎の娘のお栄。これがまたトンデモナイ奇人で・・・。
そんな最中、舞は武家の若者に見初められた。さァ、玉の輿の夢は叶うのか?
奇人にかこまれ、舞の毎日は山あり谷あり、怒って泣いて笑っての大忙し。
それでもお江戸の庶民は元気はつらつ。
ユーモアとペーソスたっぷりの、とびきり愉快な人情喜劇。