あらすじ
- 「源平盛衰記」異聞 巴御前 女武者伝説
演出:岡村俊一 脚本:渡辺和徳
- 平安末期。源氏は平家打倒のため日本各地で挙兵、信濃の山中でも戦いが起きていた。
その最前線に突如現れたのは、清水朝陽 (黒木メイサ)。女性自衛官だった朝陽は、
ある事故をきっかけに時を超え、現代から平安の世へと迷い着いていた・・・。次々と襲いかかる平家方から逃がれるため、訳もわからず戦う朝陽を救ったのが、
木曾義仲こと源義仲(的場浩司)。義仲は、朝陽の強さと美しさにひかれ、朝陽に一緒に戦うことを望んだ。
朝陽も、京へ行けば現代へ戻る手がかりをつかめるかもしれないという義仲の言葉を信じ、
根井行親 (山崎銀之丞)、今井兼平(大河元気)ら義仲四天王と共に京を目指す。朝陽の智略を得て武功をあげていく義仲。それを脅威と考えた源氏の棟梁・源頼朝(西岡德馬)は、
同じ源氏である義仲に対しても兵を向ける。その上で頼朝は義仲に、我が配下となれ、と迫る。
兵力の差を見せつけられた義仲は、四天王の反対を押し切って、嫡男・義高を人質として差し出し、
頼朝に対し臣下の礼を取る。しかし朝陽は頼朝よりも、その後ろに控える弟・源義経(堀井新太)の姿に
驚きを隠せない。義経は、自衛隊で朝陽の部下だった新田義彦に瓜二つであったのだ。再び平家との戦いに挑む義仲だが、味方の裏切りを受け、あえなく敗退。乱戦の中、
義仲は妻・葵(愛原実花)を失う。人の死という虚しさを痛感した義仲と朝陽は、
戦いの無い世をつくることを誓い合い、そして義仲は、「巴」という新たな名を朝陽に授ける。朝陽はその時初めて、自分がこの時代へ送られて来た意味を悟る。
自分こそが、歴史に刻まれたあの「巴御前」なのであると・・・。巴の「未来の知恵」によって
倶利伽羅峠 の戦いを乗り越えてきた義仲に、後白河法皇より使者がやって来る。
すぐに上洛せよ、と。京へと向う義仲の元、朝陽の”巴”としての宿命が、今、大きく動き始めようとしていた・・・。