作品紹介
時は昭和初期、「トーキョー」のとある暗黒街。
夜な夜な繰り広げられる怪しいパーティーでしばし夜更けに現れる謎の美女、黒蜥蜴(実は緑川夫人)はそんな暗黒街のスター。部下であり愛人の雨宮をはじめ多くの人々を魅了していた。
黒蜥蜴は、日本一の宝石商、岩瀬庄兵衛の「クレオパトラの涙」を盗むことを計画。そして美しい娘・早苗の誘拐をもくろむ。
犯行予告を受け、岩瀬に警護を依頼された私立探偵・明智小五郎は謎の怪盗・黒蜥蜴を相手にすることに喜びを覚える。
一度は犯行が実行されるも、明智の機転により早苗は奪い返される。
しかし数日後、厳重な警備が敷かれた岩瀬邸から早苗が忽然と姿を消してしまう。
トリックにトリックを重ねた犯行に、激しい火花を散らしながらも次第に惹かれ合っていく黒蜥蜴と明智小五郎。
美しい女怪盗と名探偵。かけひきの果てに見える究極の愛の形―――。
捕まえたくても捕まえられない。夜の蜥蜴のように・・・。