みどごろ
討ち入りを女性の視点から描き、過去に何度もドラマ化、舞台化された「女たちの忠臣蔵」。
明治座では2006年に上演され、大好評の内に幕を下ろしました。
忠臣蔵四十七士を陰で支え、愛する者を失う悲しみにじっと耐える女たち。
運命の一夜を前にさまざまな人間模様を描いた名作が6年ぶりに明治座に戻って参ります。
橋田壽賀子と石井ふく子による強力タッグに、高島礼子、西郷輝彦、高橋惠子、一路真輝など新たな豪華キャストが出演致します。
作品紹介
元禄15年12月。深川の料亭「松乃屋」に四十七人の侍が集まった。お家断絶となった赤穂浪士が、主君の仇である吉良邸への討ち入りを決めたのである。
同じ日、「松乃屋」には、夫と息子の姿をひと目見たいと願った大石内蔵助の妻・りくの姿があった。まだ年若き息子・主税の、母への慕情を振り切るかのように討ち入りへの決意を語る姿に涙するりく。そして内蔵助は、別離を言い渡した妻が、女中姿となって現れたことに驚きながらもやさしくいたわり、今生の別れを告げた。
討ち入りの日を前に、赤穂浪士たちは愛しい者たちとの最後の別れの時を過ごす。
主君浅野内匠頭の未亡人となった瑤泉院阿くりに永のいとまごいを申し出る大石内蔵助。心配する阿くりに内蔵助は「天下の大法を犯すことはしない」と生涯ただ一度の嘘をつく。
磯貝十郎左衛門は、吉良邸の絵図面を手にするために近づいた大工・平助の娘・しのの自分への思いを知りながら、そして自分自身もしのへの思慕を抱えながらも、必死にその思いを振り切ろうとしていた。
その頃、目の見えぬ姉・つねと夕餉を食べる大石瀬左衛門のところには、身分を隠した大石内蔵助が訪れた。二人のただならぬ様子に討ち入りの日が近いことを知ったつねは、弟に白装束を手渡す。
そして、自分のために苦海に身を沈めた妻・りえに会うために岡場所へと向かう間十次郎。りえは変わり果てた自分の姿を恥じながらも「生きてください」と夫に訴えるのだった。
降りしきる雪の中、愛する人たちのために祈りを捧げる女たち。
そしてとうとう討ち入りの日がきた・・・・・・。